ソメイヨシノの植え替えで消えゆく桜の回廊が思い出となる

今年(2020年)の桜は新型コロナウイルスによって
サクラを愛でる機会がほとんどなかった。
すでに花も散り葉桜になった『ソメイヨシノ』は、
全国で植え替えが進んでおり
それは桜の回廊が消えてしまう事を意味します。

横浜市のあちらこちらのバス通り沿いにあった、
街路樹の桜は『ソメイヨシノ』から
ヨウコウザクラ』や『ジンダイアケボノ』へ
植え替えが進んでいます。

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『ソメイヨシノ』植え替えの理由

サクラと言えば『ソメイヨシノ

日本で作られた品種、それは種から増やすことはできず

接ぎ木で増やし全国に植えられました。

大きく伸びた『ソメイヨシノ』の枝は

通りを覆い、桜の回廊を作っていました。

それが植え替えと共に無くなってしまいそうです。

ソメイヨシノ』は、桜の中でも最も大きく成長する一種なので

樹齢50年ほどたつと高さは15m位、枝幅は20m位に成長します。

だから街路に左右植えると、枝が道路を覆いつくし桜の回廊ができていました。

ソメイヨシノ』の植え替えの理由は、いろいろあります。

1.伝染病の『てんぐ巣病』に弱く、接ぎ木で作られたクローンゆえ、

新しい耐性を作り出すことが難しく病気がまん延しやすい。

2.根の張りは枝と同じく大きく、浅く広く張るので

街路や道路舗装を下からめくり上げ変形させて破壊して

バリアフリー化の障害となって通行にも不都合が出ている。

3.大きく広がる枝は、2車線の狭い道路に左右に街路樹として

植えた場合は、信号や標識などの車道からの見通しが悪く

また、電線などの邪魔になる。

4.一斉に開花して、一斉に花を散らすため

散った花びらや花弁で道路一面をおおい

スリップ事故などが発生し易くまた、清掃が大変。

などなど

昔は問題にならなかった事が

現代では不都合となってしまったようです。

 

代替えのサクラの特長を見ると…

ソメイヨシノ』の次世代として植えられるサクラは

ヨウコウザクラ』や『ジンダイアケボノ』は…

ヨウコウサクラ』は漢字で書くと”陽光桜”と書きます

『アマギヨシノ』と『カンヒザクラ』の交配で作られた園芸品種

樹高は5~8mほど『ソメイヨシノ』より少し早く咲きます

花弁は5枚で開花するとピンクが濃く花も大輪、

寒さや暑さに強い品種で『てんぐ巣病』にも強いです。

ジンダイアケボノ』は漢字で書くと”神代曙”と書きます。

アメリカから戻ってきた桜『アケボノ』を

神代植物公園で接ぎ木して増殖すると1本だけ

他の『アケボノ』と違う特徴の花をさかせ別品種が生まれた

この桜が『ジンダイアケボノ』という新品種として登録されました。

樹高は5~10mほど『ソメイヨシノ』と同じ時期に咲きます

花弁は5枚で開花すると淡い紅紫色で花弁先端に向かって色が

濃くなるグラデーションを持ちます。

てんぐ巣病』に強い種類です。

どちらも『ソメイヨシノ』より小ぶりですので、桜の回廊は

なかなか再現できないように思います。

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ソメイヨシノへの哀愁

ソメイヨシノ』は、同じ地域で一斉に開花して、

わずか2週間程で一斉に散ってしまいます。

クローンゆえ個体差が無いので一斉に咲き一斉に

散るらしいのですが、圧倒的な美しさで満開に咲き誇って、

あっという間に散ってゆく儚さ、潔さも

日本人の精神にある特有の価値観「わび・さび」を感じ、

散り際が美しいという美学があるのでしょう。

桜吹雪』はパレードで舞う『紙吹雪』の様に

散り際も艶やかで美しく、花弁が一枚一枚風に乗って

散っていく静けさも『』なのかなっと思います。

早朝の静けさの中、木々の上から差し込む光の中で

散り行く、そんな『花吹雪』の中を歩いて

出かけた日のことは今も心に残っています。

その『桜回廊』も18年前に伐採されて

今はもうありません。とっても寂しい思い出です。

そんな美しい情緒ある風景が、『ソメイヨシノ』の

植え替えで消えてゆくので、今のうちに見て感じ

記憶に残しておきたいと思います。

まとめ

何度となく古くからあった素敵な桜の回廊が

街を整理し新しくする過程で倒木され消えゆく事を

とても悲しく思っておりました。

いたしかたない部分があることを知りましたが

それに替わり植え替えられた『ジンダイアケボノ』が

新しい桜回廊を作ってくれる事を、

後世に残る風景が再現される事を願いたいと思います。

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