川崎大師境内には『日本百観音霊場お砂踏み参拝所』として
西国三十三観音、坂東三十三観音、秩父三十四観音の
観音菩薩像のレリーフと『御詠歌』が下の写真ように
奉祀されております。
『御詠歌』は巡礼歌とも言われ、五七五七七の和歌で作られて
その寺院にまつわる題材を詠われております。
ここでは、
『西国三十三観音』の第1番から第11番までを紹介します。
第12番から第22番は最後の方にリンクがあります。
第23番から第33番は最後の方にリンクがあります。
西国三十三観音(1番~4番)
第1番 那智山 青岸渡寺
御詠歌
ふだらくや きしうつなみは みくまのの なちのおやまに ひびくたきつせ
補陀洛や 岸うつ波は 三熊野の 那智のお山に ひびく滝津瀬
第2番 紀三井山 金剛宝寺(紀三井寺)
御詠歌
ふるさとを はるばるここに きみゐでら はなのみやこも ちかくなるらん
ふるさとを はるばるここに 紀三井寺 花の都も 近くなるらん
第3番 風猛山 粉河寺
御詠歌
ちちははの めぐみもふかき こかわでら ほとけのちかひ たのもしのみや
父母の 恵も深き 粉河寺 ほとけの誓ひ たのもしの身や
第4番 槇尾山 施福寺(槇尾寺)
御詠歌
みやまぢや ひばらまつばら わけゆけば まきのをてらに こまぞいさめる
深山路や 檜原松原 わけゆけば 巻の尾寺に 駒ぞいさめる
西国三十三観音(5番~8番)
第5番 紫雲山 葛井寺
御詠歌
まゐるより たのみをかくる ふぢゐでら はなのうてなに むらさきのくも
参るより 頼みをかくる 葛井寺 花のうてなに 紫の雲
第6番 壺坂山 南法華寺(壺坂)
御詠歌
いはをたて みづをたたへて つぼさかの にはのいさごも じやうどなるらん
岩をたて 水をたたえて 壺坂の 庭の砂も 浄土なるらん
第7番 東光山 岡寺(龍蓋寺)
御詠歌
けさみれば つゆをかでらの にはのこけ さながらるりの ひかりなりけり
けさ見れば つゆ岡寺の 庭の苔 さながら瑠璃の 光なりけり
第8番 豊山 長谷寺
御詠歌
いくたびも まゐるこころは はつせでら やまもちかひも ふかきたにがは
いくたびも 参る心は はつせ寺 山も誓いも 深き谷川
西国三十三観音(9番~11番)
第9番 興福寺 南円堂
御詠歌
はるのひは なんゑんだうに かがやきて みかさのやまに はるるうすぐも
春の日は 南円堂に かがやきて 三笠の山に はるるうす雲
第10番 明星山 三室戸寺
御詠歌
よもすがら つきをみむろと わけゆけば うぢのかはせに たつはしらなみ
夜もすがら 月を三室戸 わけゆけば 宇治の川瀬に 立つは白波
第11番 深雪山 上醍醐寺・准胝堂(醍醐寺)
御詠歌
ぎゃくゑんも もらさですくふ ぐわんなれば じゆんていどうは たのもしきかな
逆縁も もらさで救う 願なれば 准胝堂は たのもしきかな
まとめ
以上までが『西国三十三観音』の1番から11番です。
第11番目の『御詠歌』は、
最上三十三観音の第15番札所 落裳(おとも)
でも使われています。
このように同じ『御詠歌』が他でも使われていても
おかしくは無いそうです。
『日本百観音霊場お砂踏み参拝所』は、
大本坊 浄光殿のそばにございます。
『西国三十三観音』12番から22番はこちら
『西国三十三観音』23番から33番はこちら
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